パースでキッチンハンド

パースで定住生活を始めて、早3週間。

ミクシ―で見つけたジャパレス仕事で週6、1日9~10時間
宿はバッパーのドミトリーで、
シェアハウスに移ろうと、情報掲示板と毎日にらめっこする日々―――
自分でも滑稽におもえるほど、今は「ザ・典型的な日本人のワーホリ」という生活を送っている。

毎日日本語が聞こえ、日本語を話し、まかないはご飯とみそ汁とお漬物・・海外でこんな生活をするなんてつい一ヵ月前まで想像だにしなかったけれど、それでも英語を使う機会はいくらでも作れるから悪くはない。

(今更)用語解説
ジャパレス=日本食レストラン
バッパーのドミトリー=バックパッカーズ・ホステルの相部屋
シェアハウス=一軒家を数人で割り勘する宿泊スタイル

****

面白いもので、オーストラリアにいようとも、日本人ボスの日本食レストランにいるとそこはまったくもって”小さな日本国”のようになってしまう。
なんでなんだろう、日本人が周りにいると妙に気を遣っている自分がいる。
言葉に気を遣わないといけない、微妙な距離を置かないといけない。
そんな日本の職場的束縛感がウヨウヨとレストラン中を覆っているのを感じてしまうのだ。

そんなとき、たまらなく外国人と話したくなる。
風通しのいい環境で働いて、英語でコミュニケーションをとりたくなる。

不思議なもので、ジャパレスで日本を感じることで、逆にこっち(海外)に住みたいという想いが強くなっていく・・そんなことを思うのだった。

カテゴリー: 5.パース編 | 3件のコメント

僕がオーストラリアを好きな理由

パースについて早一週間。
到着翌日にレストラン(日本食)での仕事を得て、
サイクリングライフに代わる新たな”日常”が始まっている。

ある日、面白い光景にであった。
自転車通勤でいつもの自転車専用道路を走っていたときのこと。
遠く前方に、ローラースケートを快調に滑らすティーンエイジャーの姿が見えてきた。海沿いの歩道に、雨上りの青空。芝生はぬれてキラキラと光っている。そんな景色を背景に、少年が夢中でローラースケートを楽しんでいる。
「なんていい雰囲気なんだろう」
そう想いながら自転車をのんびり走らせていた。

しばらくすると、ベンチで休んでいる初老の男の横を通り過ぎた。
ふと見ると足にはローラースケートを履いている。
「・・・・!!!?」
自分のしていたらしい勘違いに気付いた途端、おかしくて笑ってしまった。つまりティーンエイジャーに見えた男は、実は50をとうに過ぎたおっちゃんだったのだ。

****

僕がオーストラリアを・というか海外を好きな一番の理由はここだな、と思う。

オーストラリアでは、何かアクションを起こす際に「年齢」というものを気にする必要がほとんどない。
何歳だろうがやりたいことがあればやったらいい――国中にそんな雰囲気が漂い、だからこそ人々は十人十色・千差万別のおもしろい生き様をもつ。

初老の男性が少年のようにローラースケートを真昼間から滑らせている。これを「いい歳した大の大人が・・」とみなす環境か、それとも「楽しんでるかい?面白い趣味だね!」と気軽に声をかけてしまう環境か――

自分はやっぱり後者の世界に身を浸していたい、
パースの街中に向かいながら、そんなことを思うのだった。

****

ということで唐突ですが

次なる夢は「留学」ということになりそうです。
2年留学でディプロマ(準学士)取得を目指します。

英語を完全に習得するには”英語を使って何かを学ぶ”行為が必要だと、NZワーホリ時から常々思っていました。それを実行するタイミングがきたようです。

そのために、この「パースでの半年間」における主なターゲット(目標)に
・IELTS 6.0取得(入学条件)
・学費の調達
・パースフルマラソン完走 (←これは関係ないけど笑)
を掲げてます。

自転車を降りるからには、中途半端にはやりません。
どうせやるなら、プロを目指す
それくらいの強い気持ちを持たなければ、中断した自転車世界旅というかつての夢に失礼です。

そして・、もしまた自分の息が止まると思う瞬間がきたとして
その瞬間に「これまでの生き方に後悔なんてない」そう常に思えるよう生きていきたい。そういう想いもやはりもあります。

****

まぁともかくとにかく、人生楽しくオモシロく。
数百万円で人生の一大ギャンブルができるんだ、
こりゃぁトライしないと。

カテゴリー: 5.パース編 | コメントする

パース到着!!旅の合計距離は。

パース到達!

着いた。ついに着いた。

坂の上から遠くパースの高層ビル群が見えたとき、少しだけ息をのんだ。
「おぉ、あれか。あれがパースか。」
入り江に沿って続く自転車専用通路。
ゆるりとした雰囲気の芝生に囲まれパース中心部までのんびりと走る。
高層ビルに十分近づいたところで記念写真を撮って、
芝生の公園からそんなビル群を見上げてみる。
不思議と涙するような「感動!!」という心のうごきはない。
ただ穏やかに、「あぁ、これで終わったんだな」
そう心の中で思うのだった。

適当に見つけたバッパーにチェックイン。
woolworthというスーパーまで歩いていく。
丸ごとのローストチキンとサラダと地元のビール(Emu Export)を2本かい、小さなザックに詰めて歩いて戻る。
熱いシャワーを浴びて、ちょっとだけ豪勢な食事をして、大事な人に電話をして声を聴く・・

なんでもないような日常と変わらない、
自転車旅の最終日が過ぎていく。

あぁ、人生上のなにか大きな区切りの日というのは、こういう感じなのか。

******
****
**

2010年12月から始まった、今回の旅の合計は
12,759km。おおよそ1万3000キロでした。(最後に詳細)

当初の旅の目標(AUS一周)を大きく縮小し、パースで終わることになりました。正直なところを言えばタスマニアでの資金稼ぎ&セカンドビザ取得に手間取った、自分の手際の悪さに起因するところが大きいです。これは至らなかった点として、しっかり反省しなければなりません。

しかし、旅の不思議さは、
その手際の悪ささえもその後の出会いと出来事を大きく変えて、
それらがよくも悪くも今の自分を創っているということです。

「自転車旅はいくつになってもできる」とナラボー平原で出会った年配のサイクリストたちに教わりました。自分も、これから人生をかけて、1000キロ程度の自転車旅を少しずつやっていこうと思うようになりました。

そして、この想いは次の夢にも繋がっていきます。こういう(割と自由な)生き方ができる環境で暮らしていきたい。そして英語もちゃんと習得したい。そのために今の自分は何をするべきなのか・・。それを考え、実行に移すための準備期間として「パースでの半年」が今必要と思い、ここで自転車を降りる決意をしたわけです。

応援していただたいた方々、定期的に当HPを訪ねていただいた方々、1年半もの間ありがとうございました。「ありがとう」・・この言葉に感謝の気持ちをありったけ詰め込んでタイピングしています。
HPはこれからも続けます、
ですが自転車旅の話はこれにていったん区切りです。

*****

旅の全行程
476km 日本(愛知―成田空港)
1625km シドニー→メルボルン
  (サイドトリップ(以下ST):500km ブルーマウンテン世界遺産含む)
2431km タスマニア周遊(1年滞在)
2477km マレー半島縦断(シンガポール→バンコク)
2086km メルボルン→アデレード
  (ST: 376km アデレード→ベリー)
  (ST: 460km カンガルー島1周)
3664km アデレード→パース

total: 12,759km

カテゴリー: 5.パース編 | 8件のコメント

旅の危険と、オージーのやさしさ

自転車旅というのは不思議なものだとつくづく思う。
どれだけ装備をととのえて、どれだけ安全に気をつけていても
「身の危険を感じるほどの状況」にすっぽりと、それはもう簡単すぎるほど簡単に落ちてしまう。

今日もそうだった。
それはいくらなんでも急すぎた。

今日の午前は大雨。
午後も雨が続き、そのうち風がでてきた。
ちょっと風が強くなってきたなぁ、そう思い始めてから10分もなかったはずだ。
強風は、瞬く間に猛烈な突風になった。
道沿いのユーカリが一目見て危ないと直感するようなしなり方をし、
飛んできた小枝がヘルメットやサングラスにカンカンと当たりだす。
腕よりずっと太い枝が自転車のすぐ横に落ちて砕け散ると、思わず自転車を放り出してすぐそばの大きな木の陰にしゃがみ込んだ。

あとでネットで確認したところによれば、最大瞬間風速43キロ。
地響きのように唸る風を、大木にしがみつくようにしてただただ眺めていた。その大木すら地面ごと揺れている。
その時の怖さ、心細さ・・自然は時としてこんなにも怖いものかと腹の底から想ったものだ。

突風が収まらないので、無理を承知で走りだし
15キロ先にあったキャラバンパーク(有料キャンプ場)に逃げ込んだ。
このキャラパも壮絶だった。
入り口の20m近い大木は根こそぎ倒れ、
レセプションの男は顔から血を流し(飛んできた枝にあたった)、
全域停電のため電気もシャワーも使えないという。(その代り個室を安くしてもらったが)

明後日にはパースについてこの自転車旅の区切りが付くというのに・・
AUSは最後まで何かイベントを準備してくれる。

*****

余談だけど
自転車を放り出し道端の木陰に隠れている間、
実に10台近い車が停車し(彼らだって倒木の危険の中にいるのに)
「大丈夫か、乗せようか」と真剣な眼差しで声をかけてくれた。

山火事や洪水などたくさんの自然災害をもつオージー。
過酷な自然の中でみせる、かれらの身を挺するような献身的なふるまいには敬意を抱かずにはいられない。

カテゴリー: 5.パース編 | コメントする

SUNDAY MORNING 2

自転車と並走するように
めいっぱい鮮やかな緑を着飾ったインコたちが飛んでいく
日曜の 日の出とともにサイクリング
ユーカリの木漏れ日あふれる田舎みち
太陽が背中をあたためる
上着はすぐにいらなくなる

緑あふれる牧草地
羊の親子が驚いて
ふわふわと おしりをゆらして逃げてゆく
大きな声をかけようものなら全部の羊が顔をあげ
一瞬の間をおいたかと思うと一目散に逃げてゆく
それが可笑しく 何度も声をかけてみる

午前10時に小さな小さな田舎まちマウント・ベーカーに到着
さすがはオーストラリアの日曜の朝
どのお店もやってない メインストリートはもぬけの殻だ

一件だけカフェが開いていて
いつものようにカプチーノのテイク・アウェイ
美人な店員さんにコインを3つ手渡して
芝生エリアで久しぶりにパソコンを開く

公園のベンチにすわり朝日を浴びてコーヒーをすする
隣には相棒の自転車が出番を待っている
エネルギーが体に溢れる最高のサイクリング・デイ
こんなとき、自転車をやっててよかったと心から想う

stirling range national park
本文とは関係ないけど、昨日は山登りな一日。
久々に?本人登場、今は至極元気です
@stirling range national park(highest peak in south-WA!!)

カテゴリー: 5.パース編 | 2件のコメント