バックパッカーズ会社員

まさかこういう形で”社会人生活”を再開するとは思いもしなかった。

2月中旬――リストアップしておいたいくつかの会社に履歴書を送り面接をして、意中の会社に入社した。実に4年ぶりに日本社会に復帰となったわけで、なんともやる気に満ちた日々だ。しかし、毎朝どうしても違和感を覚えながらの出社となってしまっている。

フォーマルな服装をビシッと決めて、さあ仕事だと開ける扉はあのホラー映画のセットさながらの鉄さびのドアであり、きしむ階段を踏みしめるとき横目に入るのは穴だらけのビル壁だ(というかビニルシートで覆ってある;<)。そう、つまり就活中の仮住まいのつもりでいた格安シェアハウスから就職後も抜け出せず、今もそこから会社に通っている。気分的にはバックパッカーズホステルから東京都心の会社に通勤するようなものだ。

一部屋20人のカオスドミトリーは、やはり一ヶ月の家賃としては東京最安値のようだ(ちるじろう調べ・2013年3月現在)。天井裏のミッキーたちが繰り広げる”追いかけっこ・サウンド”を楽しめる宿もそうそうないだろう。ところがそんなお宿も住んでみるとなんとなく居心地がよいもので、急ぎで個室を探す必要もないからこうして”バックパッカーズ会社員”をすることになってしまった。常に誰からが飲んだくれている共有リビングは避けて、読書や勉強する場所はもっぱらオフィス・マクドナルド、という具合だ。

すでにこの生活も早一ヶ月。
これからもちょっとした不便や面倒を楽しくこなしていければと思う。
個室は、ゆっくりいいところを探そうかな。

*****

ここからはちょっとマジメなハナシ。

兎にも角にも、これでNZ永住へ向けて一つのステップは踏みだせた。

思い描くNZ永住権への道筋はこうだ、

①日本での職歴2-3年(←いまここ)
②NZ留学2年間でディプロマ(準学士号)取得→オープンワークビザ(1年間)取得
③オープンワークビザ中に現地企業就職、ワークビザへ切り替え(3年)
④申請に必要なポイントを満たしたうえで永住権申請

日本での2年以上の職歴(もちろん永住権申請の際に申告する職種に関連するもの)は、永住権申請に少なくない点数が加算されるうえ、NZでの留学やワークビザ申請にも確実に有利に働く。日本での仕事でスキルをどれだけ身につけるかが、その後の戦略に与える影響はかなり大きいといっていい。

今後はNZでどんなスキルがあると有利か、日本人として持っておくスキルは何なのか――より具体的に日本で学んでおくべきことをリストに挙げていきたいと思う。

少しずつ前へ。少しずつ道の先へ。
自転車の旅で学んだ大きなこと。
途方もないほど遠いゴールでさえ、
自分を律してペダルをこぎ続ければ、いつかは必ず辿りつけるのだ。

カテゴリー: 2012~ 日本 パーマリンク

9 Responses to バックパッカーズ会社員

  1. 慶彦 のコメント:

    読んでいるこちらまでワクワク、ドキドキしてきました。カオスドミトリーの経験は、後々のキャリアで役に立つかどうかまでは分かりませんが、心の耐久力はつきますね。

    • ちるじろう のコメント:

      毎度コメントありがとうございます!
      ははは、キャリアとしては役に立ちませんが、「自分はどこでも暮らしていける」という自信はさらに着きそうです。何事もプラス思考、ですね~!

  2. maiko のコメント:

    グーグルで自転車:NZ輸送で検索して、このサイトにたどり着き、10年前NZに留学し、2ヶ月ほど南島の国立公園をめぐった記憶がよみがえりました。
    NZのルートバーントラックやフランツジョセフグレイシャーはとてもきれいでした。
    余生はネルソン地区のリッチモンドの牧場で自分の作品を置くといった夢も思い出しました。

    Surlyの自転車をお持ちのことや山小屋で働いていた経験、都内のシェアハウス暮らしなどが自分と被り、NZ移住の夢をかなえてほしいと画面の向こうから思いました。

    グラフィックや映像を仕事にしていて、日々つまらないことはありませんが、もともと一つのところに留まる気質にないので、人が好きなように(責任を負いつつも)自由に移動している姿はうらやましいです。

    がんばってください☆

    • ちるじろう のコメント:

      maikoさん

      コメントありがとうございます、
      サーリーに山小屋に日本でのシェアハウスにNZのトレッキング・・ここまで経験が一致するとは怖いくらいの偶然ですね・・!!

      ルートバーンやフランツジョセフ、懐かしい名前ですねぇ。とてもきれいでしたよね!僕もあのときの空気の匂いや、出会った人々との何気ない会話をいまだに覚えています。そういえばネルソンの地域はアートな街でしたね。

      (ちょと余談ですがネルソンのはずれに日本人の経営する安宿があるそうで、そこはアーティストらを安く泊めて、代わりに作品を宿に提供&展示させてもらう、みたいな仕組みを持っていると以前TVでやってましたよ。こういう取り組みをしているところを利用してもいいかもしれません!? )

      NZ移住はなかなか一筋縄ではいきませんし何より期間が長いのでどうなるかさっぱりわかりませんが、何とかやってみるつもりです。今はとにかく自分のこの意思をたくさん周囲に発信することを大事にしてます。楽しみながら、がんばります^^

  3. maiko のコメント:

    情報有難うございます。ネルソンの日本人の宿は調べてみます。
    NZは島国なので岸や海岸線の景色がすばらしいです。私はその頃カヌーをしていたので、NZの湖でカヌーのツアーがあれば参加してました。フランツジョセフも氷山登りよりカヌーメインでした。記憶ではクイーンズタウンの近くGlenorchyにある小さな湖が圧巻だった気がします。リマーカブルズ山脈が目の前に迫ってくる感じで。
    アクティビティーが年中シーズンなNZの環境がうらやましいですね。
    何はともあれ日本での生活がんばってください☆

  4. あゆみ。 のコメント:

    みのるさんお久しぶりです♪ この間はあきこちゃんと久しぶりの再会にご一緒できなくて残念でした。
    目標に向かって頑張っているようで何よりです。20人共同生活とは本当にカオスな世界・・・数日ならまだしもずっととなるとさすがに我慢できないかも・・・それに順応?しちゃってるみのるさん・・・すごい。シェアハウスいいとこ見つかるといいですね♪
    東京にいるので、お暇があれば会いましょう★いつでも光が丘に遊びに来てください(笑) 女3人の共同生活ですが、みんな誰でもウェルカムな人間ですので。

    • ちるじろう のコメント:

      あゆみ。さん

      お久しぶりです~!元気してました?
      そうそう、この間あきこさんにも会いましたよ。なんだかんだ言ってタスマニアのとき以来の再開だったと気づいてホント驚きました、 そしてあゆみさん宅に泊まってたんだってね笑 
      光が丘、ぜひぜひ伺います!!シェアハウスもみてみたい!
      連絡先交換しましょう、Lineがあればminoru0715、もしくは、Emailのchirenmino0715あっとyahoo.comまでご一報ください!

  5. 猫っていいよね のコメント:

    ちるじろうさん、はじめまして
    今日はじめてこのブログを発見し、気がつけば小一時間ほど読んでました。
    そして質問なのですが、ボクは今オーストラリアにworking holidayでいるのですが、次の町にタスマニアはどうだろうか。
    と考えているのですが、なにか助言をいただけないでしょうか?
    それともう一つ質問なのですが
    NZへ永住されるのが目標というのをみつけたのですが、
    実をいうとボクの最終目的もそれと全く同じなのです。
    そのことについてもなにかしらの助言をいただけると幸いです。

    • ちるじろう のコメント:

      猫っていいよねさん

      はじめまして、コメントありがとうございます。
      今ワーキングホリデーでAUSにいらっしゃるんですねー!タスマニアは冬は観光客が全然おらずきっと宿でも寂しい思いをされるかと思いますので笑、今すぐ秋の季節に観光するか、来季の夏までまって、どっしり構えて仕事&観光と長期滞在をされるのがいいかと思いますよ。
      TASはNZと比較的気候や土地の雰囲気が近いので、NZ好きの方なら楽しめると思います。移住に関しては僕の方からはアドバイスなどできそうもないです・・ただHPを持ってる留学エージェントなんかは気軽にメール相談に乗ってくれますよ!お互いがんばりましょう!

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