ニュージーランド移住と、新たなHP開設のお知らせ

ニュージランドで観光ガイドをしています

はじめまして、ちるじろうこと《外山みのる》です。
「full life 自転車でオーストラリア横断の旅」を訪ねていただきありがとうございます。このHPは、僕が2010年12月~2012年11月の約2年間にわたってオーストラリアを自転車で横断した際、現地から書きつづっていたブログです。

資金が少なかったため、2年間のうち1年半くらいは働いていたので、実質自転車でシドニーからタスマニアを巡ってパースに至るには約6か月を要しました。仕事の話も多く、海外で自転車旅行をしたい方に直接役立つような情報は少ないかもしれませんが、当時体験した一つ一つの出来事を注意深く拾い上げて、できるだけ読んでいただく皆さんに現地の空気感のようなものを感じてい ただけるよう書いたつもりです。

2015年より、ニュージーランドへ移住

2015年より、念願かなってニュージーランドに移住をしております。
学生として最初の2年を過ごし、ワークビザへ移行、ゆくゆくは永住をできるよう日々を過ごしていくつもりです。

ニュージーランドでの生活・移住・留学・アウトドアの個人ガイドについての新たなHPを運営していますので、よろしければそちらもご覧ください。自転車旅行のご相談も受け付けています。いつでもメールをください。お待ちしております!

ニュージーランド個人ガイド《外山みのる》公式HP

ニュージーランド個人ガイド外山みのる公式HP

ニュージーランド個人ガイド・外山みのる 公式HP

カテゴリー: 2015~ ニュージーランド移住 | コメントする

電子書籍を出版しました

皆様、お久しぶりです。
ほぼ2年も(!)更新が空いてしまいました。

前回2013年の更新の時に「NZに移住することを次の目標にしたい。そのためにまず造園のスキルを学ぶために仕事の多い東京で2年間暮らしたい。」ということを書いていましたが、実際その通りに2年を過ごし、今こうして2015年を迎えています。

個人的なことながらタスマニア島で出会った、同じくワーホリ旅をしていた女性と結婚もしまして、これからパートナーとともに2015年7月よりニュージーランド入りし、2人で永住を目指す運びとなりそうです。

(NZにいらっしゃる方、留学もしくは永住されている方、もしよければぜひ下記アドレスまで連絡いただけると嬉しいです。できるだけ多くの方と繋がりたいですし、NZ入り後の早い段階から”つなげる”側にもなっていきたいと考えております。)

さてさて、いきなりタイトルの内容とは違う話から入りましたが(笑)、NZに旅立とうとしている今、かつての旅を自身の持つコンテンツと捉え、カタチにしていこうという試みを急ピッチで進めています。その第一弾として、まずオーストラリア自転車横断の旅を電子書籍として出版することになりました(画像クリックでアマゾンのページへ飛びます)。

大陸横断!!

大陸横断!!オーストラリア自転車の旅 《シドニー→メルボルン編》

旅の最中に更新していた記事をベースに、ここには書ききれなかった出来事も新たに書き起こして、全11話にまとめてみました。今後「タスマニア島編」と「ナラボー平原編(メルボルン→パース)」を続編としてUPして、最終的に軽く読める文庫本くらいのボリュームにできればと思っています。将来的にNZでの生活も書籍化していけたら・・と思っていますが、これはまだまだ先の話ですね。

ここで皆様にお願いがあります。もしよければこの本を読んでいただき、ご意見・ご感想をいただけないでしょうか? 

これからNZでの旅や留学生活、永住権取得までの話などをまとめて書籍化していくためにも、書き手としてもっともっと成長していく必要があると痛感してます・・。今回の第一冊目はダメ出しのオンパレードになるかもしれませんが、それらもすべて受け入れて今後の参考にしていきたいのです。ご協力のほどよろしくお願いいたします!

(ちなみに、アマゾンのkindleの電子書籍で出版しておりますが、電子書籍リーダーを買わなくてもPC上でもスマホ上でも手軽に読むことができます。PC上ではamazon kindle readerというソフトなどをインストール、スマホでもkindle書籍を読めるアプリがあります。多くのアマチュアが電子書籍に参入しており、格安で多くの本を楽しめますので、この機会にぜひ。)

現時点では発表できない企みもいくつかありますが、おいおいこちらで公開していきますね。まだまだ僕らの旅は続きます。

外山ミノル
chirenmino0715あっとまーくyahoo.com

カテゴリー: 2012~ 日本 | コメントする

旅と登山と水

お盆の休みを利用して、北アルプスを歩いた。
槍ヶ岳(3180M)・北穂高岳(3106M)・笠ヶ岳(2897M)という、登山愛好家ならその名を聞いただけで目を細めるような山々を、テントで野営をしながら4日間歩きとおした。この記事を書く今、すでに”下界”に降りて一週間も経つけど、いまだに体の中にその時もらった幸福感の残り香が充満している。晴天に恵まれ、何もかもがうまくいった、とびきり贅沢な登山だった。

さて、細かいデータは後日まとめるとして、ここでは一つエピソードを紹介したい。

今回はのっけから急登だった。
一日目の山・笠ヶ岳への道のりは想像以上にハードで、山の中腹ですでにクタクタ、水筒もカラカラという有様。登れば登るほど太陽光は強くなり、のどが渇いてくる。山の上に水道なんてあるはずもないが、半ば憑かれたように「冷たい水が腹いっぱい飲みたい・・!!」と念じていた。
奇跡は、もうすぐ水筒も底をつくという頃に起きた。まるで手品師のマジックのように、ほんとに冷たい水の小川が目の前に現れたのだ。頂上付近にいまだに残る雪渓が、地図上にない小川を作り出してくれていたのだ。

キンキンに冷えた天然水を心ゆくまで飲む。天を仰ぎ、稜線を吹き抜ける風を思いっきり吸い込むと、アルプスの水が体中に染み渡ってゆくのをはっきりと感じた。
するとふと、「あぁ、自分は今、北アルプスにいるのだなぁ」と心地よい気持ちも湧き上がってきた。雪解け水という自然の粋な計らいを受け取ることで、自分と山々がどこかでつながったように思えるのだった。

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アルプスの縦走では、水は道中で補給しながら歩くことになる。
小川の水、雪渓から溶け出す水、山小屋が蓄えてくれた天水(雨水)・・今飲んでいる水の源が目の前にあるというのは大切なことだ。その恵みをいただいて次の一歩を踏み出す。次の食事を作り、また次の半日を生きのびる。貴重な自然の財産をいただいている、というごく当たり前の事実が、アルプスでは顕著に迫ってくる。

僕は旅や登山をするうえで、いつも必ず気にかけていることがある。
それは「その土地と繋がりたければ、その土地の水を飲むこと」
そうすることで自分の属していた世界からまとってきた衣を脱ぎすて、新たな土地の”あるがまま”を全身で受けいれる覚悟ができる、と信じて疑わない。僕はこの行動を、長旅や山歩きの際に、必ず儀式のように意識して行っている。そしてアルプスでは誰もが(必要に迫られて)天然水を口にし、山と自分を”接続”する。僕はこの事実がとても好きだ。

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アルプス3000M、岩肌だらけの稜線上。
いま僕よりも上にあるのは空だけだ、..そう見上げた青空に、宝石のような美さのアサギマダラ(ちょうちょ)が舞っていた。目の前の奇跡に目を奪われつつも、一匹の蝶の、あまりに高い峠越えを見守った瞬間があった。

頂上直下に張ったテントの夜。
偶然にも流星群の通過するというその夜に外に寝転がって夜空を見上げると、はっきりと見える天の川に並んで、長い長い流星が流れてゆく瞬間があった。

・・北アルプスと繋がるということ。
それはきっと、日本にいながらにできる最高の旅の一つに違いない。

カテゴリー: 2012~ 日本 | 6件のコメント

スタバ・日曜昼間のエソラゴト

実に久しぶりにスタバに入ってカプチーノとマフィンを注文し、旅のときから使い続けているノートパソコンを机の上に置いて電源を入れている。
快晴だけど風が荒れ狂う日曜日、おかげで出場予定だったマラソン大会は中止になってしまった。おかげでこうして一ヵ月ぶりにブログを書くこともできるのだけど。(遅れてスミマセン;<)

実は一つだけここに書いておきたいことがあってスタバにきている。

NZ永住を考えるようになり、自分のこれからとるべき道もある程度定まった今、「自分はどういう仕事が向いているんだろう」とか「本当にしたいことって何だろう?」とか、人生に対する漠然とした不安を抱くことが以前と比べてとても少なくなった、と思う。もちろん、それはある程度道を決めたからだ、とみることもできる。けれど僕としては、AUSの旅を経て今後の人生に対する見方がずいぶんと変わったことも大きな理由の一つだ、そう考えてもいいと思っている。今回は、そんな話。

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自転車旅の最初の1年、とくにスタート地点のシドニーからキャンベラ、タスマニアへ至る大陸南下の道中は、実をいうとずっとずっと思考的には暗い暗い海の底にいた。サドルの上にまたがり、やることと言えばペダリングだけという日中のその持て余した時間に思うことと言えば、「俺はいったい何をしているのだ?」「俺はこの先何がしたいんだ?」という砂漠のようにだだっ広く茫漠としたこの先に対する不安でしかなかった。ほかのことなど何も考えていない。何も考えられなかったと言ってもいい。

――”この旅を経て、俺はナニモノになろうとしているのだ”

この問いから、ずいぶん長い間逃れることができなかった。

ところがこの出口のない自問自答とは無関係に、自転車旅はその資金をまったく失い(苦笑)、どうしようもなく自転車を置いて働く期間が増えることになる。資金を集めるためにいろんなことをしたと思う。合計7個所の農場で収穫や剪定、あるときは食肉加工工場で働き、またあるときはシティーに出てレストランで働いた。AUS各地を回っていろんな人の生き方を見て、自転車旅を通して世界各国たくさんの人の親切をこの身にうけた。

海外で、独り生き残るかどうかの崖っぷちに立ち、必要とされることをとにかく一生懸命にこなしていく。”ナニモノに・・”という問いはいつの間にかその崖から転げ落ち、しかし自転車はそのすれすれをなんとか渡り切った。

自分には何が向いていて、何が向いていない
どんな道がよさそうで、どんな道が選ぶべきでない
どんな才能があって、どんな才能がない・・

そんなかつて思い悩んだ問いは少しずつ色あせていく。
見えない問いを追い求めることに何日も何年もついやすよりも、どんなことでも目の前のことをこなせるようになることに注意を注いだ方がよほど人生には有益だと、すべての体験はそう教えてくれた。

僕らの目の前のショーケースにはこれでもかと甘いものが並んでいる。
そしてあれがいい、これがいいと思ううちに決まって選択を間違える。
僕らは選択肢を間違える。
間違えた選択肢をビニル袋に入れてショーケースを離れる。
そしてどうしてこれを選んでしまったのか・あれを選べばよかったんだと思い悩む。

でもその時に、手にしたその選択肢の使い道を考えてみてはどうだろう。
――たまには違うものを食べてみるチャンスかもしれない
――隣人に分けてあげたら喜ばれるかもしれない
そうして、いつか再びショーケースを前にしたその時はきっと、棚の隣にあった選びたかったものを試してみればいい――、そうちょっとだけ思ってみる・・。

そしたら、何事も楽しくやっていけるんじゃないか?
そんな風に、今少し思ったりする。

・・とまぁ、ある方にある質問をされて、この記事はその返事みたいなものです。どうでしょうね?

カテゴリー: 2012~ 日本 | 3件のコメント

バックパッカーズ会社員

まさかこういう形で”社会人生活”を再開するとは思いもしなかった。

2月中旬――リストアップしておいたいくつかの会社に履歴書を送り面接をして、意中の会社に入社した。実に4年ぶりに日本社会に復帰となったわけで、なんともやる気に満ちた日々だ。しかし、毎朝どうしても違和感を覚えながらの出社となってしまっている。

フォーマルな服装をビシッと決めて、さあ仕事だと開ける扉はあのホラー映画のセットさながらの鉄さびのドアであり、きしむ階段を踏みしめるとき横目に入るのは穴だらけのビル壁だ(というかビニルシートで覆ってある;<)。そう、つまり就活中の仮住まいのつもりでいた格安シェアハウスから就職後も抜け出せず、今もそこから会社に通っている。気分的にはバックパッカーズホステルから東京都心の会社に通勤するようなものだ。

一部屋20人のカオスドミトリーは、やはり一ヶ月の家賃としては東京最安値のようだ(ちるじろう調べ・2013年3月現在)。天井裏のミッキーたちが繰り広げる”追いかけっこ・サウンド”を楽しめる宿もそうそうないだろう。ところがそんなお宿も住んでみるとなんとなく居心地がよいもので、急ぎで個室を探す必要もないからこうして”バックパッカーズ会社員”をすることになってしまった。常に誰からが飲んだくれている共有リビングは避けて、読書や勉強する場所はもっぱらオフィス・マクドナルド、という具合だ。

すでにこの生活も早一ヶ月。
これからもちょっとした不便や面倒を楽しくこなしていければと思う。
個室は、ゆっくりいいところを探そうかな。

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ここからはちょっとマジメなハナシ。

兎にも角にも、これでNZ永住へ向けて一つのステップは踏みだせた。

思い描くNZ永住権への道筋はこうだ、

①日本での職歴2-3年(←いまここ)
②NZ留学2年間でディプロマ(準学士号)取得→オープンワークビザ(1年間)取得
③オープンワークビザ中に現地企業就職、ワークビザへ切り替え(3年)
④申請に必要なポイントを満たしたうえで永住権申請

日本での2年以上の職歴(もちろん永住権申請の際に申告する職種に関連するもの)は、永住権申請に少なくない点数が加算されるうえ、NZでの留学やワークビザ申請にも確実に有利に働く。日本での仕事でスキルをどれだけ身につけるかが、その後の戦略に与える影響はかなり大きいといっていい。

今後はNZでどんなスキルがあると有利か、日本人として持っておくスキルは何なのか――より具体的に日本で学んでおくべきことをリストに挙げていきたいと思う。

少しずつ前へ。少しずつ道の先へ。
自転車の旅で学んだ大きなこと。
途方もないほど遠いゴールでさえ、
自分を律してペダルをこぎ続ければ、いつかは必ず辿りつけるのだ。

カテゴリー: 2012~ 日本 | 9件のコメント