世界の果てのナインマイル・ビーチ

自分が属している”剪定集団”は仕事を求めて再び移動した。
“渡った”先は、再びタスマニア東部の町スワン・シー。
マレー半島を走る前と同じファーム・同じ宿で、
これから2-3週間働くことになりそうだ。

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世界地図を広げる。
その右の隅に日本があって、
そのまま目線を下に下げるとオーストラリア。
タスマニア島はそのさらに右下に
うっかりすると見落とすくらい小さく、申し訳なさそうに載っている。

その島の東海岸にある町スワン・シーは、まさにこの世の果てにあると言っていい。
郊外に広がる海岸「ナインマイル・ビーチ」に立てば、
約15キロにもわたる砂浜が視界の奥まで続き、波しぶきの中に消えていく。
南を向くとその海は、はるか南極へと続いていく。

ナインマイルビーチ

いつ訪れても15キロの海岸線に人影はなく、
曇天のもと、ただ一人南極からくる風を受け止める。

何十年も何百年も前からそこにあるような大きな流木は
半ば砂に埋もれ、すべての波を受け入れている。

森とビーチの境界線は
わずか半年で大きく後退し
新たな木々が、ビーチに向かって倒れゆく。
波に洗われ小枝は朽ちて
新たな流木となって、また旅に出てゆく。

世界の果ての海岸線さえ
何かが少しずつ変わっている

その鈍い衝動を全身で受け止める
そのとき、誰もが自身の一生を考えるに違いない

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さて、明日からも頑張ろうか。

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