(回想録) タイ―食当たりダウン①

※マレー半島縦断時の回想録です

26-27/July 2011

タイ南部にて――
いつものように早朝に宿を出て、いつものように道端の屋台を探した。
街中はちょうど通勤や通学の時間帯なのだろう、
売り場の制服を来た女性や制服姿の学生が足早に歩き、
あるいはバスを待って歩道にたむろしている。
街全体がざわつき、古い建物と人と乗り物であふれるタイの田舎町の朝――
この雰囲気は相変わらずだ。

10分ほど街中を自転車で走ると、イスとテーブルがほどよく並ぶ屋台がみつかった。
調理台にはどんぶりが山と積んであり、おばちゃんが忙しそうに調理をしている。
きっとラーメンのようなスープを出す店なんだろう。
調理台の湯気がおいしそうな匂いを運んでくる。
さっそく自転車を歩道に停め、地元の人たちに交じって席についた。

山となったどんぶりを指さして、「こいつを一杯ちょうだい」と合図をする。
言葉がまったく通じないマレーシア・タイ南部で、幾度となく繰り返してきたジェスチャーだ。
お店のおばちゃんも笑顔で「1杯ネ、じゃ席に座ってて」というような返事をくれた。

ところが、運ばれてきた食事を見てギョっとなってしまった。
予想したラーメンでなかったのだ。
それはどうやら「臓物をいっぱい煮込んだスープ」と呼べる代物で、
得体のしれない数種類の臓器(?)の切れ端が透明なスープに沈んでいる。
いかにも見た目は危なっかしい。
しかし人のよさそうなおばちゃんに向かって「やっぱり要らない」とも言いにくく、意を決して食べてみた。
臓物スープは見た目とは裏腹に意外とさっぱりして、
むしろかなりおいしい部類に入るスープだった。
しかもボリューム満点。
「これで30バーツ(90円)なら今日の朝食は大当たりだったな」
朝からいいことがあったぞと、その日は軽快に自転車を走らせた。

そう・・、もうお分かりの通り
この屋台の臓物スープは本当に”大当たり”だったのだ。

②へ続く・・(続けるほどの話でもないんですけど苦笑)

カテゴリー: 2011 東南アジア マレー半島 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。