bye-bye- TASMANIA

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朝起きると、外は冷たい雨だった。
それでもサドルにまたがると、
タスマニアからの”別れの挨拶”はいよいよ手荒く、
2日目には向かい風も加わって、
それはもう目も開けられないようなサイクリングになった。

「カンカンカンカン・・・・・!!」
ハイウェイ沿いを漕いでいると
ヘルメットになにか硬いものがあたって弾きだした。
デカい雨粒だなーと思ったら、それはまさかのヒョウの雨。
レインジャケットの腕の部分で遊びまわる氷の粒を眺めていると、
雨にうたれたみじめな気分など吹き飛んで、笑えてきた。

さすがはタスマニア島。最後の最後まで楽しませてくれる。

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剪定仕事が終わって、
半年前から手掛けている(苦笑)タスマニア一周を完了するべく、
島北部のフェリーポートまで残りの100キロを2日の予定で走っていた。

標高差もなく、ハイウェイに沿って景色を楽しむはずの旅はしかし
雨・風・あられ、そして奇跡の(?)3度のパンク修理が重なった。
楽しむどころか、進むにつれて気持ちは荒むばかり・・。

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ゴールまでもう少しというところで
かじかんだ手を休めようと道路わきの空き地に入った。

適当な駐輪スペースを見つける余裕もなくて
小さな植物がこんもりと茂るフェンスに、強引に自転車を突っ込んで停めた。

と同時にパラパラと、何かが足元に散った。

・・しゃがみ込んでハッとなった。

それは、いくつもの赤い小さな花だったからだ。

雨風のせいにして
心を狭くしていた自分に気づいて、少しの間沈黙した。
ごめんよ、悪かった・・
気持ちを切り替えて、ゴールへむけてペダルをこぎだす。

最後は雷鳴とどろく大嵐のなか、笑顔でフェリー乗り場に入っていった。

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※タスマニア一周、ようやく達成!!

(滞在期間半年、農業バイト4件。
島の外周1000キロ弱を、オーバーランドトラックの100キロ山歩きも含めて走破)