【Cascade Trail】コジウスコ国立公園

【Cascade Trail】

コジウスコは今でこそ同国最大の国立公園だが、その前身は家畜が歩き回る”放牧地”だった。
驚くことに、その当時(1930年~)建てられた山小屋(Hut)の多くはいまだに現存し、
古き良きオーストラリアの面影を偲ぶことができる。
Hutだけの写真集もあるほどだから、オールドファンにはたまらないものなのだろう。

ここでは、別項で紹介したmain range trackと同じ拠点の町から1泊2日でいける、Cascade Trailというのを紹介したい。

アクセスタウン:Tredbo(スレッボ)
歩行時間   :1泊2日(往復18km+Tredbo river track 往復8km)※

ユーカリの一種、スノーガムという肌白くつややかな、それでいて力強さの感じる幹を持つ木々に囲まれて、
目的地のCascade Hutは小さな草地の中に建っていた。
1935年に建てられてたという丸太とトタンを素材とした質素なたたずまいは、
木漏れ日を浴びたその静かな風景に見事に調和している。
一日の終わりにその草地にテントを張って夕闇を待つ。それはなんて気持ち良い時間だったろう。
Cascade Trailは風を感じながら清流沿いを歩く、なんとも優しげなコースだった。
車も入れるような幅の広い道が、山々に囲まれて盆地状になった草原の脇をうねるように視界の先まで伸びていた。
草原の中心を流れる清流沿いには夏の花が咲き乱れ、その下流に目をやると、コシウスコの高い山並みが青空の中にたたずんでいる。
ジョギングをしている人や、家族連れでマウンテンバイクに乗った人らとすれ違い、そのたびに笑顔で挨拶をする。
歩くには確かに少し単調な風景だけれど、天候さえよければ本当に平和そのものといった雰囲気だ。

途中から草原を外れて森に入り、Dividing Rangeという峠をひとつ越える。
と、その先にまた別の草原が見えて、しばらく歩くと目的の山小屋が見えてきた。

古く質素で、それでいて凛とした山小屋にしばらく魅入ってしまった。
近くには清流があり、その水を沸かしてテントの中で紅茶を飲むと贅沢な気分に浸れた。
オーストラリア人の家族もすぐそばにテントを張っていた。
父親と話をしたが、いかにこのカスケード・ハットが当時苦労して建てられたのかを、さも見てきたかのように力強く語っていたのがおかしく、そしてどれだけ当時のオーストラリアの生活を想い、誇りにしているのかが伝わってきた。オーストラリア人にとって、これらの古い山小屋というのは、一つの時代の象徴なのだろう。
ちなみに、このCascade Trailは無料のガイドマップでは往復5時間程度と書かれているが、そりゃ少し無理な注文かな、と思う。片道でも9km、少なくても3時間はいる。オーストラリア人はそれほどFIT(体力がある)なのか!?なんて思ったりする。
全体的に、ガイドマップの予定時間は”体力あり歩幅の広い人向け”のようだ。


※Tredboから最初の4kmはTredbo river trackという別のトラックで、これは車があれば回避できる。
cascade trackだけならば日帰りも可。ここではアクセスタウンから歩いていく例を紹介した。

 

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