写真でつづる山小屋アルバイト2010 -11月-

11月―
思えば寒さとの戦いだった。
気温計はマイナス11度を指し、外作業で稜線上の猛烈な風をあびると体感気温は相当なものだ。
「本日の最高気温マイナス7度です」―
なんて環境、慣れてない者には笑えない。けれど意外とそこにいれば、体が慣れてなんとでも無くなってしまうから不思議だ。

猛吹雪が止んだ翌朝ほど、美しいものはない。
キンと冷えた空気の中で夢中でシャッターを押した。
室内の暖炉に時折走りこんで手を温めて、再び撮影のため外に出てゆく。
なんとも面白い撮影だった。

お客さんが0の日が続き、小屋を閉めて皆で下山。
麓の温泉につかり、久しぶりの美味しい食事をたべて解散となった。

6月の雪かきの日々、夏のピークの忙しさ、小屋閉めの慌ただしい準備・・
約半年もの間、隔離された空間で少人数で働く。スタッフとの連携の面で大変な日々もあったけれど、厳しい環境だったからこそ、今になって思えばとてもいい経験だった。

吹雪の翌朝、日の出をむかえる
吹雪の翌朝、日の出を迎える

凍りついた「幸福の鐘」
凍りついた鐘

“エビのしっぽ”
横殴りの吹雪で横に積もったのを、えびのしっぽと呼ぶ。
吹雪の翌朝、壁をみるとエビが食べたい放題になっていた。
エビのしっぽ

樹氷と富士
北岳からは富士山がとても美しく見える。知る人ぞ知る、富士山の撮影スポットだ。アマチュアカメラマンに混じってよく写真を撮ったけれど、この吹雪の翌朝の富士山がいちばんきれいだった。
樹氷と富士

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