ナラボー平原– 世界のアホウが集う場所

「I can’t believe my eyes!!」(信じられない!!)

自転車をとめた瞬間にそんな言葉がでた。
その日、早朝のハイウェイのど真ん中で、2人のサイクリストが立ち話をしていたのである。西へ向けて走っていた俺はそこに乗り入れたかたちになった。たまたま1700キロものハイウェイでサイクリストが同時に3人交錯する――そんな偶然が起こりうるのだろうか。

スコットランド人のアルベルト、45歳。ヨーロッパ、ユーラシアを横断してオーストラリアに入り、ダーウィン→シドニーを走行中という。次は南米に行くんだそうだ。もう一人はニュージーランド人のマーティン。パースに向かって走るリカンベント乗り(寝そべるような形で漕ぐ3輪の自転車)のおっちゃんだ。2人とも40を超える年なのに、人柄もやっていることも恐ろしく若い。
10分ほどギアやパーツ談義に花を咲かせると、お互いの健闘を祈りみな再び走り出した。

変なヤツはいくらでもいるもんだ――ペダルを快調に踏み込みながら、つくづくそう思う。
それまでにもこのナラボー平原で3人のサイクリストと会っている。(追記:結局ナラボー横断では10人近いサイクリストと会った。) ある中年の男は、パースから出発してタスマニアに住む息子に会いに行く途中(!!) と言うのだった。
また彼らの情報によると、3人乗りのタンデム(2-3人乗りの長い自転車)や、はたまたスケートボードで横断しようとしているヤツもいるという。そういえば、ジョギングで大陸横断の男がいたのも思い出す。(前記事参照)。

サイクリング(リカンベント、タンデム)、ジョギング、スケートボード・・
ナラボー平原というのは、どうやら世界中のアホゥたちが思いつく限りのあらゆる手段で走りに来ている場所のようである。
次はどんな変なやつに会えるだろうか――ナラボー平原、いやオーストラリア大陸はこれだから面白いのだ。

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