振り返れば○○がいる..!! ― ナラボー平原にて

振りかえれば彼らはいつでもそばにいる。
自転車に乗る僕をどこまでも追いかけてきては、
じゃれて触れ合い、ひとしきり楽んで別れもいわず去ってゆく。

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僕は時速20キロで自転車をこいでいる。
うしろを振り返ると、彼らは澄ました表情でついてきている。
それならと、足に力を入れて29キロにあげてみる。
これでどうだついて来れまい、そう見てみると、
彼らは余裕の蛇行を見せつけ、僕の肩に手をやり「まだまだだね」とささやいてくる。

向かい風が強くなると、ついに彼らは姿を消した。
さすがに風には勝てないようだね、
風もキツいけど、彼らの戯れに比べればかわいいもんだ。やっと一息つけそうだ。
しかし、ふと自分の肩を見てぶったまげた。
何のことはない、彼らは僕を風よけにして、背中や荷台の隅で塊になって休んでいたのだった。

*****

何の話かって?
そう、ハエです、ハエ(笑)

これまでもオーストラリアのサイクリングでは常に1-2匹のハエと闘ってきた。
どいつもこいつも異常なほどしつこく、振り払う手が彼らに当たるとようやく退治できる。
これはこれで大変煩わしかったのだけど、
でも、ここナラボー平原はその比じゃぁない。
走りながら後ろを振り向いたときだ。後ろの荷物の上に、どう少なく見積もっても50匹以上ものハエが停まって風がやむのを待っている図を目にした時の”恐怖”は忘れられない。ビビッて振り払うと、黒い塊となってブワっと飛び立ったのだ。
停まって休もうとすれば、自分が肥溜めにでもなったかのような熱烈な歓迎を受ける。
耳にダイビングしてくる奴が一番困る。サングラスの表側はすっかり彼らの散歩コースだ。

ハエだけとってもこのありさま。
・・ナラボー平原、一筋縄じゃぁいきません。

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4 Responses to 振り返れば○○がいる..!! ― ナラボー平原にて

  1. Takeshi のコメント:

    こんにちは、Takeshiといいます。オーストラリアを走るなんてすごいですね、いろいろな意味で。僕はニュージーランドを自転車で周って、お金との相談で今オーストラリアSAのClare という町で働いて資金集めしてます。またすぐにどこか(多分シンガポールから出発)に行きます。もし会えたら嬉しいです。(^_^)

    • chirujirou のコメント:

      takeshiさん
      はじめまして、
      ニュージーランド周られたんですね!
      特に南島はけっこうhillyだったと想像しますがいかがでしたか?
      そして、クレアは通過したばかりなのでわかります。あそこで働いてるんですね!!
      takeshiさんは世界周遊中でしょうか、
      僕もまたこの先アジア横断を控えているので、またいつか会えるといいですね。
      その時を楽しみにしてます!

  2. Takeshi のコメント:

    南島も北島も僕にはキツくて楽しかったですね(^_^) 坂しかない日も多く、苦笑い、半にやけでした。。wineryで働いていて、今は各国のvisaや片道航空券で行けるのか?という問題と格闘中です。ニュージーランドでは日本人ライダーに会うことが出来ませんでしたが、Chirujirouさんがオーストラリアを走られていて、勇気をもらいましたp(^_^)q ヘビには注意してください。。
    私事ですが、どうにかシンガポールを片道のみでチャレンジしてみます。搭乗拒否されたら笑ってください。。

    • chirujirou のコメント:

      シンガポール片道券のみですか^^;
      ぼくは昨年行ったときは、
      自転車でタイに行くことを説明して、タイからの出国便を予約してあるんだ、と言えば係員も納得してくれましたよ。つまり「シンガからの出国便が必要」というより「かならずシンガから出てゆくという証明をしてくれ」ということみたいです。(ご存知でしたらすません;)

      それにしても、NZサイクリングいいですね~~~。きつくでも景色よければすべてよしですしね^^憧れです。

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