旅ってやつはほんとうに思い通りになってくれない。
少しでも気持ちを忘れると それは顔をしかめてふて腐れ
逆に想いを寄せると それはゆっくりと機嫌を直してくれる。
こいつと付き合っていくのはほんと大変だ。
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実のところ、まだタスマニア南部から出ておらず。
「タスマニア北部へ向けて、久々のチャリ旅がまた始まります」
なんてこの場で言ったのはいくつ前の更新だったろう?
(仕事を)見つけるつもりのない町で数日間のピッキングが見つかったこともあれば
ここで働きたいと狙った農場は一週間たっても”空き”がでず移動を余儀なくされ
「仕事ないし、もう移動するぞ!」と決心した町では
「仕事あり」の情報が出発前夜にもたらされた。
一つ一つの判断の積み重ねが旅になる、
何度も何度もそのことを意識した。
タスマニア南部での資金稼ぎでは
もてあました時間も多く、判断ミスもあったと思う。
必ず何かを学んで賢くならなければ。
明日(9/May)より、タスマニア北部へ自転車を走らせる。
もしかしたらmainlandへ、つまりメルボルン入りするつもりだ。
やっと出発の日を迎える。
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最後に小話
ついさっきまで、州都ホバートのバッパーで一人の男と酒を飲んでいた。
彼はアメリカ人で、同じアップルファームで働いていた同世代の若者だ。
いろんな会話の中でふと「旅をいつ終えるつもりか」という話になった。
「どうしようか迷っている」と歯切れの悪い答えをした自分に対し
彼は明瞭かつ簡潔だった。
何よりその答えはこちらの心をじわりと解放し、そして揺り動かした。
彼はこう言ったのだ
「これからの人生もずっと旅だ」。
旅とは非日常でありいつかは終わりが訪れるもの
そんな固定観念が俺の頭にあるのなら今すぐにでも捨ててしまいたい。
「旅」は息抜きのバカンスの意を含む言葉ではもはやなくなった。
それは生活そのものであり、生きる中で起こるすべてのことを指す言葉なのだ。
じゃあ日本にかえってきたときも旅だな。
そして、俺も今は旅の途中。
お互いによい旅を!
そうだね
彼の話を聞いて、旅を続けるための仕事(資金稼ぎ)ではなくて
仕事をいろんな場所(国)でするための旅にしたいなぁと思ったよ
あと、日本にはできるかぎり帰らないつもりだけどね・・笑