ヒルクライム@【Mt.Wellington(マウント・ウェリントン)】

タスマニアの州都・ホバートは海と山々に囲まれた美しい街だ。
そんなホバートを麓に抱える山々の中のひとつに、ひときわ大きく目立つ山がある。

標高1270Mのどっしりとしたその威容は西に落ちる夕日を少しだけ早く遮り、
ホバートの街並みはその山の影を受け入れるように、毎日の夜を迎える。
文字通り人々の生活に大きな影を落とす山、それがマウント・ウェリントンだ。

マウント・ウェリントンは市民の憩いの場、そして観光名所として開かれた山でもある。
頂上まで舗装路が開通しており、立派な展望台からはホバートの街並みに加え、
右手に海岸線、左手に山々の連なりを見渡せる。
トレッキングコースも整備されており、short trackから1day trackまでさまざまだ。

(展望台からホバートを見渡す)
Mt.wellington lookout

*****

アクセスタウン:州都ホバート
所要時間:往復2-3時間(※自転車でのヒルクライム)
       往復5―6時間(※トレッキング)

以下、体験記――
マウント・ウェリントンのトレッキングコースは、[Fern Tree]というホバートから少し北の小さな集落から始まっているようだった。その集落まで自転車でせっせとのぼり、地元のカフェを尋ねると簡単なマップを入手できた。
さて登る準備をしようかと駐車場においた自転車に戻ると、何やら自転車の整備をしている人がちらほら・・話しかけてみると、このマウント・ウェリントンはヒルクライムの練習場所としても有名らしいのだ。
「そうだったのか。それなら・・」
自転車乗りとして、「自転車で登れるよ。」と言われて、やらないわけにはいかない。
バックパックは自転車の荷台に括りつけたまま、自転車にまたがり坂道を前にした。

荷物はフル装備のまま、行程の3分の1の地点にあるパーキングエリア「The Springs」まで漕ぎ抜き、そこに広々とした芝生エリアをみつけてテントを立て重い荷物を放り込み、頂点を目指した。

コース自体はゆるやかに標高をあげる舗装路。
我慢強く漕げば1270Mの頂点までの10kmを、ノンストップで駆け上がれる。
途中で道路沿いに湧き出す水に頭を突っ込んで飲み、
時折ユーカリの木々の向こうにホバートの街並みをジオラマのように見下ろした。
タスマニア南部だから夏でもそれほど気温は高くない。
まさにヒルクライムの理想のコースといってよかった。

さて、テントを立てた[The Springs]に戻ると、すぐ近くに別のテントが3張も立っていて驚いた。オーストラリア人のサイクリストと、車で旅行中だという若者3人組で、たまたま[the springs]の広々とした芝生エリアをみてテントを張ることにしたのだという。(この辺の思考回路が同じ人とは気が合う笑)
お互い握手をして名前を名乗り、夜を待って備え付けのBBQ台を囲った。
薪(天然)を放り込むとみるみる火が立ち上り、その夜は静かに ―時にはうるさく― キャンプファイヤーを囲んで星空を眺める、素晴らしい時間となった。これも自転車旅ならではの楽しみだろう。

※ちなみにトレッキングをする場合は
小集落[Fern Tree]から、もしくは中腹のパーキングエリア[The Springs]から数本のコースが伸びており、コース選択によって最大6-7時間から最短で数十分と幅がある。頂上付近だけを歩くコースもあるようだった。ホバートからFern Treeまではバスが出ているので便利だ。

リンク:wellington Park HP (公式。英語)

(頂上は奇岩でいっぱい)
Mt.wellington top

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