あっぷるを摘んでます

なだらかな丘にあるリンゴ農園
そこには2mを超えるリンゴの木が列をなし、
まーーっすぐ丘の丘の向こうまで続いていた。
どこまで続いてるんだろ、と思ってしまうほどの広さ。
振り返って遠くに目をやると、両側を森に囲まれた小さな湾が広がっている――

リンゴピッキング、初日。
あてがわれた鉄製のハシゴは重たく、
カンガルーのポーチのようにぶら下げた大きなバッグにリンゴを放り込んでいくのだが
ひもが肩に食い込みこれがまぁ痛い痛い。

予想外の重労働が悔しく、うまそうなやつを見つける度、カゴに入れず口に運んだ。
赤々と熟れたそいつにかぶりつくと、甘い果汁が口に広がり、一瞬、疲れが吹き飛んだ。

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Doverという民家すらまばらな村のバッパー(安宿)に滞在して5日。

この村のアップルファームに毎朝8時に押しかけ、
「今日はピッカー(収穫する人)の募集はないか」「今日は欠員はでてないか」
と聞きまくっていた。
3日目くらいから農場主は俺をみて苦笑いするようになった。
「また来たの!」、と笑。
4日目に一人欠員がでたという情報が入り、
5日目は早朝07:30に押しかけて笑、ついに仕事ゲットとなったのだった。

自力で目標の「アップルピッキング」をゲットした、というのは何よりの自信になる。
久しぶりにハードに働いた今日は、ものすごく筋肉痛だけど、この疲れも心地がいい。

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アップルピッキングは儲かるという情報があるが、
実際はそう簡単ではなさそうだ。
今日は一日目で不慣れとは言え、1.5ボックスしか収穫できなかった。
歩合制で1ボックス=30数ドルになるので、
今日は10時間働いて50ドル(4500円くらい?)しかなかったことになる。泣

もちろん、作業に慣れてきて、さらにシーズン最盛期となれば
もっともっと稼げる・・ハズだ。

とにかく、旅の予算はすでに10万円を切っている。(!!)
リンゴで稼がないとなぁ。

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p.s..
アップルファームというのは、奇妙だ。
虫もいなけりゃ鳥の鳴き声さえ聞こえない。
どのアップルも虫食いなく、磨いたような美しさ。
宝石のようなアップルをおびただしくぶらさげた木々が
押し黙ったまま、列をなして丘の向こうまで続いている。
分かっちゃいるけど・・・改めてまじまじとみると、
アップルファームという空間は、ほんとうに奇妙だ。

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